Biz-Dev探検記(たまに息抜き)

主に情報通信/サービスPF界隈のお話を。たまに旅行とかアニメも。

【考察】LINEの今後の事業について

こんにちは、Kenkenです。LINEが今後目指している方向性、自分にとっても結構重要なのでいろいろと考えてみました。LINEは今後Blockchainの特性を生かして新しいエコシステム形成に本格的に動いて行くのだと思います。

先日開催されたLINE-Conference2018(https://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2018/2238)の中身をかみ砕きつつ、目指す方向性を推察してみました。

<サマリと推察>
LINEは6月末にLINE Conference2018を開催しました。
公表された「LINE Token Economy」は明言していないものの「事業とステークホルダーの属性再定義/再構築」にあり、サービス受益者や中小事業者へのエンパワメントが特に注目に値すると思います。
カスタマ向きでは自身が発信/生成したものにトークンでインセンティブを与えて出口(利用先)としてエンタメを拡充。
クライアント向きでは工数/手数料削減を通じた収益構造の改善を提供。
裏側ではトークン流通/決済情報獲得によりデータを収集し、日常領域でのデータから信用ビジネス等の事業を次に見え据えているのかと思いました。

<LINE Conferenceについて>
【LINEエコシステム】
BCを基盤とした「LINE Token Economy」を推進していくことを公表。
BCにインターネットと同様の高い価値を見出しており、BC活用した経済圏/エコシステムを形成しうる有用なツールと認識。
ユーザーは「受益者」から「生産し受益する存在」と再定義。ユーザーが生成したものに直に適切な報酬を還元する。(BCを用いてサービスの成長/貢献者還元がリンクするシステム)
より具体的にはユーザーの貢献に応じて適正なトークン報酬が還元されるDappsを構築し、当該PFは自社に閉じたものでなく外部にもOpenなものとし、同様のニーズを持つ外部サービスが簡単に参加できる拡張性のあるPFを構築する。
組織としては全体の設計をするunblock、技術開発を行うunchain、Dappsを開発するLINE Blocchain Labで推進していく。

【具体策】
~BC関連分野~
A;仮想通貨取引所ビジネスの開始
日米以外を対象に仮想通貨取引所:「BITBOX」を本年7月に開設予定と発表
LINE本体/LVC(仮想通貨&BC関連を手掛ける関連会社)がLINE Tech Plus(シンガポール)を通じてサービス展開。
「仮想⇔仮想」のみ取扱で「法定⇔仮想」は非取扱。対象となる仮想通貨は30種類予定
日米は規制対応(日本;仮想通貨交換業、米国;AML等に係る急速な規制強化)観点で排除??

B;ToCサービスの拡充AA
PFM分野でLINE家計簿のサービス開始、保険分野ではAI保険VBへの出資を発表
LINE上でLINE-PAY/他の金融機関サービス/OCRを通じた家計簿管理が可能に。日常消費のデータ獲得が可能に。
AI活用したカスタマイズド保険商品の生成を行うVBへの出資実施(7月より少額保険業者に)。4月に提携した損ジャ提携と合わせて、少額損害保険へ参入

C;LINE-Pay
「決済革命」の実現に向けてQUICPAYと提携し、非接触型決済への対応を実施(対象台数は国内で72万台)。下記の方策を実施するとのこと
事業者むけ決済アプリ「LINE Pay 店舗用アプリ(レジ+メッセージ機能)」を提供開始
「LINE Pay店舗用アプリ」QRコード決済手数料を無料化(3年間)
インセンティブプラン:「マイカラー」制度の改変(コード支払の評価Weightを上げる)

~他~
<AI>
LINE CLOVA搭載スマートスピーカーから家電が操作できる「Clova Home」のリリース
トヨタのSmart Device Link対応新型車にClova搭載。コネクティッドカーへも進出
Clovaスキルに関しては開発キット;「Clova Extensions Kit」やスキルマーケットを公開することでオープンイノベーションを促す。

<E-コマース>
LINEショッピングにおいて新機能「ショッピングレンズ」をリリース。保存画像やリアル写真を用いた商品検索が可能に。
また、店舗近くのユーザーに、LINE公式アカウントを通じた販促が可能となるO2Oサービスも。
LINEトラベルをリリース。メタサーチをLINEで出来、航空券予約/最安値比較などが可能に。

<広告/メディア>
広告事業では、LINE公式アカウントとLINE@統合、月額0円から利用できる新プランを発表
LINE NEWSでは、Personalizeを目指し、一人ひとりが最適な情報と出会える新機能「マイニュース」や、プロアマ問わないオリジナルコンテンツ募集を発表

<エンタメ>
LINE MUSICではトークルーム上に好きな音楽を設定できる「トークルームBGM」やLINE MUSIC内でミュージックビデオが見れる機能を発表
LINEマンガ事業ではLINE Digital Frontier㈱を設立、韓国事業と統合することを発表
LINEゲームでは公式アカウント上でプレイできる「LINE QUICK GAME」を発表