【BCx金融業】世銀によるブロックチェーンベース債券発行
世界銀行が定例発行債券の一部をブロックチェーンベースで発行することを9日に発表しました。
これまでの債券発行は複数のステークホルダーが関与し、時間とコストが無駄にかかり、代金獲得までの時間もかかる、というBCが活用されるに足る環境でありました。
今回、多国籍の公的機関が利用をすると決まったことで今後の債券発行PF整備など、新たな流れとして認知されるかもしれません。
定期的に債券発行している企業においては、発行手数料もばかにならないレベルですので、コスト削減/決済期間の短縮といった観点から検討の余地があるかもしれません。
<サマリ>
・世界銀行がブロックチェーンベースでの債券発行をAUD建てで発行すると発表。発行時期/規模などは詳細は不明ながらソフトサウンディング中ということもあり、おそらく月内には公表されるとみられる。
・引受銀行は豪州のオーストラリア・コモンウェルス銀行(CBA)で、DCMにおける業務の煩雑さの解消や仲介業者の削減によるコスト削減を目指すとのこと。
<債券について>
・BCベース債券は「ボンダイ(bond-i:blockchain operated new debt instrument)」と呼ばれるが、技術や流通の観点から、実際にどのように機能するのかの詳細は不明点が多い。
・世銀はETHのPrivate版(Enterprise ETH)を用いることでブロック生成/承認は世銀がコントロールする形で運用する想定。
<他>
・インフラは、Microsoft/Azureののクラウド・プラットフォーム上で動作させる想定。
・ボンダイに関しては、2017年に英国のBCベンチャー:NivauraがEnt-ETHベースで発行、USのCA/バークレー市は地方債発行に関してBCを持ちることを検討しているとのこと。