【事業戦略】KDDIの金融PF構想
KDDIが金融領域で攻めに転じました。
これまでライフデザイン事業としてスマホを入り口とするサービスの拡充に力を入れてきたところ、2/12のリリースで以下を発表しました。
・「カブドットコム証券への支配権強化」
・「じぶん銀行の連結化」による足腰基盤の強化
・「auフィナンシャルHD設立」によるガバナンス体制の整備
メディアやアナリストレポートにも出ていますが、スマホを起点とする金融事業強化に資源投下を進めるものと推察されます。
(後は、外からはバラバラしているエンタメや別領域に対しても「金融を付加価値」として強化を進めるものと。)
【今回施策の概要】
今回のKDDIの施策としては大きく3点です。
https://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2019/02/12/3593.html
・これまでバラバラの資本関係であった金融子会社の資本関係整理/ガバナンス強化/意思決定の迅速化を進めるための施策
(加えて本業とのシナジーを追求する)
・具体的には本体で進める「スマートマネー構想*」の推進役の立ち位置に。
(*スマホを入り口とする金融サービスのワンストップサービス提供)
┗auウォレットをハブとして、スポークに各金融サービスがある構想なのだと思います。
・あとは社名変更するそうです。「au-」シリーズでの展開を行うとのこと。へえ、ちょっと長い…
・じぶん銀行の第三者割当増資を引き受け、連結子会社化を実施。
┗出資比率を現状の50%から63.78%へ拡大。
・なんだかんだで銀行はすべての金融機能の基盤機能。連結化による金融機能基盤強化に繋げるものと。
→今後の決済基盤提供等のベースにしつつ、データの獲得
<3;カブドットコム証券の関係会社化>
┗49.0%株式の取得を目指す(買付額は876億円)
・証券はKDDIが揃える金融シリーズから抜けており、資産運用のラインナップ拡大を狙うものとみられます
(加えて、KDDI-AMとの連携/じぶん銀行との連携強化も)
【考察】
・やはり狙いは「スマホ金融」で、スマホを入口とする金融サービスのワンストップ提供を行いたいのだと思われます。
┗その基盤の上でデータ利活用やUI改善/UCX提供を行うことで通信の伸び鈍化をカバーして新しい柱へ
┗さらに、そこからEコマース/娯楽/教育といった分野への消費を促進して、「au経済圏」拡大を
・その背景ははやり「通信業態への風当たりの強さ」があるものとみられます。
┗業界に対する「政からの圧力」
┗抑々格安スマホの比率が上昇している中での、楽天の新規参入という業界構造の変化
*加えて、KDDI顧客の流動性は他社に比べて比較的高い点も。
・結局のところ、通信キャリアの強みは「通信費の捕捉&インセンティブ(固定費であり、自然にポイント(インセンティブ)がたまる仕組みがすでに構築されている)」にあり、LINEなどと異なり、スムーズなフローがある点だと思われます。
└4000万人のアクティブな顧客基盤に対して、リーチできる点も
・加えて、集められる情報の深みが増すこともあるんだと思います。
└ライフステージに合わせた金融サービス提案+解約の防止にも援用可能n