Biz-Dev探検記(たまに息抜き)

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【事業戦略】ディーカレット社の事業計画/SUICAと仮想通貨

IIJ子会社のディーカレット社(以下、D社)が事業計画を発表し、SUICAに仮想通貨でチャージが可能となるのかと、もろもろメディアがざわついております。
計画を見たところ具体的ではないですが構想レベルでありますが、実際のところは相当話が進んでいるものとみられます。

【サマリ】

  • IIJ傘下の仮想通貨取引所「ディーカレット」が事業発表会を開催、報道各社がSUICAへの仮想通貨Charge文脈で大きく報道されました。
  • 計画を見るに、当面は既存交換事業者と同じサービスを提供して慣らしつつ、次の段階では上記交換も狙っていると思われます。
  • D社にはMUFG大和証券なども出資しており、個々の企業が運営するポイントの出口としてもありうるか

【計画の概要】
<D社の事業計画>

  • D社は18年1月にIIJを筆頭に19社の出資で設立、3/25に仮想通貨交換業者登録
  • 取引開始は4/16で対象通貨はBTC/BCH/LTC/XRPで、6月以降にはETHも取引可能に(それぞれ、円とBTC建て取引が可能)。
  • 単なる交換業でなく、「仮想通貨/ステーブルコイン/電子マネー/デジタルポイント」などを「デジタル通貨」と定義、キャッシュレス化推進ツールと位置付け(HPでは「リアルとデジタルの橋渡し」と称した決済サービスの開始も予定)

<サービス展開の2段階>
-ステージ1-

  • 既存事業者と同等の交換サービスの展開(Fiat⇔Crypt/Crypt⇔Crypt)
  • 既存決済手段への仮想通貨導入(電子マネーへのチャージ手段を拡大するなど)
  • デジタルアセットとしてのポイント/ギフトと仮想通貨との交換

-ステージ2-

  • ステーブルコインなど仮想通貨と同じ技術を使った複数通貨を持って生活/取引する段階

<発表会での発言>
(D社時田社長)

  • 「仮想通貨を全くやったことがない人を巻き込むのはハードルが高いが当社サービスが投資/決済手段として仮想通貨を身近に感じてもらうきっかけになる」
  • 「既存の決済サービスと連携し、17年に仮想通貨をやっていたが価格が下がったために辞めた人たちが「もう1回やってみよう」と考える」のではないか」

(JR東日本)

  • 「「Suicaは始め、汎用な決済手段である現金チャージからスタート。キャッシュレスの流れの中で、デジタル通貨対応はお客様のニーズを満たす有力な選択肢の一つ」

【日経記事】
-仮想通貨でスイカ入金 IIJ系、サービス検討-
 インターネットイニシアティブIIJ)の持ち分法適用会社で仮想通貨交換会社のディーカレット(東京・千代田)は27日、仮想通貨をJR東日本電子マネーSuica(スイカ)」などのチャージに使えるサービスを検討していると発表した。利便性を高めて仮想通貨になじみが無い顧客層の取り込みにつなげる。
 時田一広社長が27日の記者会見で明らかにした。JR東日本はディーカレットに出資している。電子マネーへのチャージのほか、スマートフォンスマホ)決済とも連携させる考えで、「6~7月に複数の電子マネースマホ決済に対応したい」(時田社長)という。
 電子マネーなどとの連動に先駆けて、同日からスマホ向けのアプリ配信を始めた。4月16日から仮想通貨と現金の交換や、仮想通貨間の取引サービスを始める。「ビットコイン」など4種類の仮想通貨に対応し、6月には追加で「イーサリアム」にも対応する予定だ。
 時田社長は記者会見で「既に仮想通貨を所有している人の利便性を高めるだけでなく、利用場所を増やすことで仮想通貨を始めるきっかけになる」と話した。企業間の送金など、将来的に仮想通貨の用途が広がることにも期待を示した。
 ディーカレットにはIIJなどのほか伊藤忠商事野村ホールディングス三菱UFJ銀行などが出資。25日に資金決済法に基づく仮想通貨交換業者の登録が完了した。マネーロンダリング資金洗浄)対策や不正アクセスの防止策など、営業開始に向けて利用者保護の体制が整ったと判断した。