Biz-Dev探検記(たまに息抜き)

主に情報通信/サービスPF界隈のお話を。たまに旅行とかアニメも。

【考察】韓国政府のBlockchain産業への対応について

 先週末、韓国政府が仮想通貨/BCに関する規制変更を検討している旨を公表しました。BCを公式な産業として位置づけることで、成長戦略のツールの一つとして位置づけていく狙いがあるものとみられます。政府と民間が一丸となって産業成長を進めるのが得意な韓国、今後の動きはKAKAO/NAVERの動きが一つの試金石となる可能性高く、注視が必要です。

 

<概要>

 韓国政府はBCに関連する産業を標準産業分類に従った正式なものとすべく素案策定に入ったとのこと。韓国政府は昨年以降規制の強化に動いてきましたが、今回の基準策定の中で取引所の再定義などを行う予定で、仮想通貨/BC推進に向けて重要な方針転換になる可能性が高いです。

 

<産業分類案>

 韓国政府は産業分類に従って、BC業界を3セクター/10区分に分類。既存業界(金融/セキュリティ/著作権管理/医療産業/物流など)へのBCシステム統合事例も調査するとのことなので、実装可能性も考えているんでしょうねえ…。

 

-区分案-

①【ソフトウェア開発および、提供ビジネス】

 └BC基盤のオンラインゲームソフトウェアの開発、提供

 └BC基盤のモバイルゲームソフトウェアの開発、提供

 └BC基盤のシステムソフトウェアの開発、提供

 └DAppsの開発、提供

②【プログラム、システムインテグレーション(SI)、マネジメント】

 └BC基盤のコンピュータープログラミングサービス

 └BC基盤のSier、構築サービス

 └BC基盤のその他のITおよびコンピュータオペレーションサービス

③【情報サービス産業】

 └BC関連のホスティングサービス

 └仮想資産取引所および、仲介

 └その他BCに関連する情報サービス

 

 新しい案では「取引所="資産取引所"と"仲介業者"」と位置付けており、従前の「情報通信事業者」と対照的な位置づけに。規制対象の金融機関と位置付けることで重要な定義変更であり、政府の規制の下で成長させる意図があると思われます。

 

<今後の動き>

 韓国は昨年後半にICOを違法化するなど規制強化(17/12;仮想通貨の匿名取引禁止/取引アカウントの実名登録義務化、18/03;公務員の仮想通貨保有&取引禁止、18/03;地方銀行に対するAML&KYC準拠度調査など)をしてきました。しかし、今回の政策変更での合法化が進むことでICOにかかる規制が逆回転する可能性が高いです。

 なお、韓国の科学技術情報通信省は6月下旬に公表したBC活用戦略の中で、ICOの活用可能性を指摘。韓国中央銀行も5月以降、キャッシュレス社会の実現に向けてBCの活用余地を検討しているとのことです。