【BCx金融業】金融庁が仮想通貨交換業の検査レビュー公表
10日に金融庁が仮想通貨交換業者への立ち入り検査結果を公表、既存の事業者の問題点を多方面から指摘しました。
日経は「交換業者の抱える問題の総括により、コインチェック事件後に事実上停止となっていた交換業者登録が再開される見通しを報道しています。
審査の厳格化/開所後の規制強化が目に見える状況ではありますが、ようやく事業環境の法的/規制的基盤が出来たと思われます。
(日本のみならず世界的にも大きい動きとして認知されそうです)
https://www.fsa.go.jp/news/30/virtual_currency/20180810-2.pdf
<報告書サマリ>
・金融庁が10日に公表した報告書は端的に言うと「急速な事業拡大に管理体制が追いておらず、今後は厳格な規制が必要」となります。
(事業規模)
┗交換業者の会社規模(総資産)は1年間で約6.5倍の6928億円に拡大。昨年秋からの仮想通貨市場の盛り上がりで、一気に規模が拡大。
┗一方で、利用者財産の管理を少ない役職員で行い、平均して1人で33億円の預かり資産を管理。
(管理体制の不備)
┗急速な事業拡大に業者側の体制整備は追いつかず、杜撰な内部管理態勢や顧客保護が不徹底なケースが散見。
→既に複数のみなし業者や一部登録業者への行政処分で個別事象は処理済、今回のとりまとめで網羅的に問題点を把握した形。
┗指摘点は、「ビジネス分野」「リスク管理・コンプライアンス」「内部監査」「コーポレートガバナンス」の4カテゴリ。
→個別の行政処分での指摘とおり、こういった問題は「業容が拡大する中、それに見合った人員の増強やシステム・キャパシティの見直しを行っていない」ことにある。
<今後の新規登録再開>
・新規の登録について、「さらに深度ある実質的な審査を行う必要がある」と強調している。具体的には…
→「業者のビジネスプランの聴取」
→「プランに応じた実効的な内部管理態勢や、利用者保護を優先したガバナンス態勢の状況について書面やエビデンスでの確認を充実」
→「現場検証や役員ヒアリング等の強化」
・報告書で登録にあたっての一定の線引きをすることで、現状の個別対応による工数圧迫を緩和する狙いもあろうかと思われます
*ちなみに、マネックスGの松本CEOは、7月の会見でコインチェックの交換業登録とサービス全面再開は「8月をめど」と表明しています
<他>
・金融庁は規制強化にあらず、審査の深化であるという姿勢
┗環境が急変する業界ではお仕着せの規制よりも実態を反映したチェックが重要と認識。
(申請時のビジネスモデル聴取を徹底し、登録後もビジネスモデルがしっかり守られているかチェックしていく方針)