Biz-Dev探検記(たまに息抜き)

主に情報通信/サービスPF界隈のお話を。たまに旅行とかアニメも。

【考察】SBIの事業戦略について

 今回は6月に開催されたJapan Blockchain Conference2018で行われたSBIの北尾氏の講演から見る今後のSBIの戦略についてまとめながら考えてみました。

 SBIは一見すると脈略なく見える投資も、Visionである「金融を核に金融を超える」を体現するために一本筋の通った投資となっていることが話から伺えるなあと思いました。Sコイン構想や証券PF構想を進めることで最終的に「SBI=頭脳」「地域金融機関=手足」となるような新しい金融機関を作ることも目指していると思われます。クレカにおけるIssuerとAcquirerとの関係に近しいものになるのかもしれません。

 まあ、そうなるとバイオVBへの出資はいかにも腹落ちしません…いろいろな論調はあるようですが…

 

=講演のサマリ=

<SBIの基本戦略>

・基本戦略は「投資→導入→拡散」であり、この流れは創業当初から変わっていない。

 └Fintechファンドからの投資額は400億超え(地域金融機関や事業会社が出資)

 └Fintech関連は投資回収に成功、とくにFintechは評価高く、ファンドとしても高い評価を得た(CBインサイトによる評価はGlobalで1位)。

・Fintechには幾つかフェーズがある認識で、1.5(wwwベース)を作り上げ、2.0(BC活用)の世界へ。その次の2.5では主体同士のp2p取引が可能になる。

・現状の投資先はロボアドバイザー/AIがメイン。

・sbiデジタルアセットマネジメントで、投資を進めて、さまざまなテックを集積。既存の製品への導入を行いつつ、新しい製品開発を行う。

 

<BCへの認識>

・BCは次のインターネットである認識を持っている。

 └個人向けというのがキーで、個人間取引をbC使って実現させていく。

 └特にエコシステム形成できる点が強身と認識しており、投資先の取込通じて「エコシステム強化」「投資先価値の向上」を進める。

・実ビジネス展開の面では債券取引の業務プロセスに適用できるか検証中。

リップルとr3に投資。両社は業務類似して、互いに競合するがリップル=国際送金/r3=スマコンベースでの事業展開とするように仲裁している。うまく仲裁させて力を発揮させる装置としてSコインがある。

・「金融を核に金融を超える」。このスローガンを体現するBC。

 →非金融分野への投資も行い、有望なとこには投資進める。

・金融機関のデイスラプトでなく、一緒に新しいエコシステムを作っていく

 

<仮想通貨関連>

・仮想通貨での最初のビジネスはマイニングで、対象はBitCoin-Cash。仮想通貨エコシステムを狙う

 └BitCoinは投機対象であり、実ビジネスに向かず(手数料が高すぎ)

 └BitCoin-Cashで3割のシェアをとる。

→徹底的に電力コストの安いところに設備投資。

→マイニング時にデータセンターが必要であり、データセンターも買収。

  (データセンター事業への進出&電力のスマート化事業も実施)

・交換業、当初はHuobi(中)と組もうとしたが、システム面で折り合わず断念。

・米NASDAQの取引マッチングシステムがSBIの水準に達し、セキュアでスピーディーだったためNASDAQとの提携に変更した。徹底的に安全であることを要望している。

・今後はSBIの持つ800万の流動性口座への勧奨をメインに拡販を図り市場育成目指す。

 └スプレッドをとるしか能のない既存会社と違いを出す。

・機能として危ないのはウォレット。セキュリティ関連の中間持ち株会社通じて、米国やスイスのVBに投資して技術導入。さらにセコムとも提携してセキュアな機能提供を行う。

・子会社であるMorning Starによるトークンの格付けも実施し、SBIHDとして流通/発行支援も行うことでマーケット育成し、実需(貿易決済、個人決済、法人決済など)を増やしたい。

 

<独自のコイン関連>

・SBIデジタルAMとしてICOの実施を検討。トーク保有者にはSBIサービスでの優待を提供。価値としては日本円連動型(ペッグではない)とするスキーム。

 └問題は規制対応/会計処理問題…会計処理問題。

・既存行が発行しているコインは囲い込みに過ぎない。SBIは独自の決済プラットフォームで、地域金融機関との連携を見据えている。

 └UCカードは実証実験中で、地域銀行ごとに地域通貨発行が可能となるPFにしたい。

 └送金アプリとしてSP向けの送金アプリをりそなBK/スルガBKと実施(また、海外との送金は実証済みで実ビジネスに)

 

<今後の動き>

・地域金融機関や既存の証券会社とともにPFを造成してKYCなど共通化できる部分は共通化進める。

 └コンソーシアムはSBIが議長で造成、投資先のテクノロジーを本業に移植して強化へ。

・Fintechは「拡散フェーズ」で、自社で構築してきたTechを地域金融機関に拡大する。

 └そのための装置がSBIネオファイナンシャルサービス(中間持ち株会社/テック系の機能提供)

・今後は業法が変わることで業種間垣根が低くなる。これを見据えて当社は個人向けラインナップを揃えてきた。

・また、地域金融機関に対するサービス提供を強化する

 └Tech目利き代行/Tech企業との橋渡し/AIやRPA用いた保険や証券といった商材の販売支援

 →業務軽減を目的とする事業会社を準備中。